こんにちは。
今回は、読書録です。
ありがとうございます! RT @datsusala_blog: kindle版を待ちきれずに「経済で読み解く明治維新」を購入しました。産業革命、フランス革命、ミャンマーの政権交代、ヤクザの抗争あたりも経済で読み解いてくだ#明治維新 pic.twitter.com/lFtaBFJxSE
— 上念 司 (@smith796000) 2016年5月7日
読みました。
上念さんの作品は比較的読んでいる方だと思いますが、少なくとも私が読んだ上念司図書の中では最高傑作なんじゃないでしょうか。
とてもおもしろかったのですが、特に下記の3つの視点が良いですね。
フレームワークで語る!
ビジネスの世界ではフレームワークにはめて物事を議論するというのはよくやります。
代表的なフレームワークだと3Cとかバリューチェーンとかですね。
経済と歴史を読み解くにも立派なフレームワークを上念さんが下記のように述べています。
世の中は、モノとお金のバランスによって成り立っている
お金が不足すればデフレになり、景気が悪くなる
景気が悪くなると、普段は見向きもされない危険な思想に人々は救済を求める
上念さんの「経済で読み解く大東亜戦争」も同じフレームワークで読み解いていくのですが、これが本当に分かりやすい。
まさか江戸時代もこのフレームワークでいけるとは思ってもいませんでした。
上念さんに産業革命やフランス革命も経済で読み解いて欲しいとツイートした所、そのツイートのリツイートといいねをして頂いた方が結構いらっしゃいました。ぜひ、経済で読み解くシリーズを定番化して欲しいですね。
江戸時代も国際金融のトリレンマ
「自由な資本移動」「為替相場の安定(固定相場制)」「独立した金融政策」の3つの政策は同時に実現することができず、同時に2つしか実現できないという国際金融のトリレンマは有名ですが、江戸時代もこれで説明できてしまいます。
今まで、鎖国≒資本取引規制とか貨幣改鋳≒金融緩和なんて解説した人いました??
これを読んで目から鱗が落ちました。
学生の頃に、「これは、今で言う◎◎ですね」と言った分かりやすい例えをして教えてくれる歴史の先生がいたら、もっと歴史に興味をもったんでしょうかね。
江戸時代にもM&Aのアドバイザーがいた?
薩摩藩と長州藩の債務問題とその解決方法は、現在で言えば、リスケ、会社分割、民事再生と言った再生案件でよく行われることと完全に一致していますね。
薩長同盟もM&Aみたいなものだし、FAが坂本龍馬で、しかもM&Aで合併した企業が、業界1位を倒産に追い込んだようなもんでしょうか。
見事なM&Aの成功事例です。
かっこ良く言えば投資銀行のFA業務、言葉を変えればナニワ金融道が江戸時代からあったわけです。
まとめ:人間の営みは不変
江戸時代を経済活動という視点で見てわかったのは、人間の営みの本質は何百年経っても変わらないということでしょうか。
どんなにテクノロジーが進化して、AIが人間を超えようが、自動車が自動運転になろうが、人間の思いや経済活動は大きくは変わらないのでしょう。
幸い江戸時代よりも自由度はあるので、各人が自由な発想で競争すればまだまだ面白い世の中になるんじゃないでしょうか。
逆に自由な発想を縛るような社畜的カルチャーだったり共産主義的な思想が入り込んでこないように、景気よくしなくてはいけないんでないの?
消費税は減税、追加金融緩和、財政出動もやって景気回復最優先ですね。
こちらも面白いので、興味を持った方はどうぞ。